レバラン2015 過渡期の長距離客レを撮る①
レバラン期間中、ABA専用客車(K9)が充当された定期ArgoSindoro
(ノーマークだったので、こんな引き画像・・・、あとで撮り直し)
前のマンガライレポートに載せきらなかったので、別記事で。これまで、格段レバラン臨特集は組んだことはありませんでしたが、電車が205系だらけになったこともあり、さらには来年の今頃には全等級の塗装統一が完了するであろうという危機感から、当方の連休最後の2日間、柄にも合わず、客車列車の撮影に励んでみました。
北本線複線化完成と、CC206の大量増備で、年々定期列車の本数が増えて(レバラン臨から格上げ出世)おり、逆にレバラン臨として走る列車は年々減っているように見受けられ(特にジャカルタ口では)ます。ことさら、撮影可能な午前中Jakartaを出て地方に向かう列車で、相次いで定期化が進んでいますので、やはり華に欠けるのですが、定期を含め可能な限り撮影してみました。やはり、新塗装,旧塗装入り乱れの姿がやはり興味をそそりますね;;かろうじで旧塗装オンリーの編成も残っているわけで。今が客レを撮るにはまさに旬といったところではないでしょうか。
というわけで、ひたすら画像を貼っていくだけになりますが、興味のある方はお付き合い下さい・・・。
ManggaraiからのBekasi線始発列車に乗り込み、定番となったKranjiの陸橋へ。なんだかんだいっても、客車列車を撮るのがここが一番です。到着時には日の短いこの時期、まだ真っ暗でしたが、1発目の列車が到着までにはなんとか撮影が出来る程度の明るさにはなってくれました。
1発目はPSE5:30発のKutoarjo行きKutojaya Utara
特に面白味のない列車です・・・。それよりもネタは後続のPasarSenen5:50発の臨時KertaJaya。丸半日かけてSerabayaPasarTuriを目指します。 旧塗装K3をCC206が牽引!
この列車、釜は日替わりで色々な形式が充当されるようなのですが、なんとこの日はCC206でした!! 定期列車では新製冷房Ekonomiまでしか牽引しませんから、CC206と黄色客車の組み合わせは新鮮でした。直後が新塗装でかったのも幸いでした。早起きは三文の得どころじゃないですね(笑) GMR6時発のCireonExpress
お次はなんの変哲もない定期CirebonExpress。なんか最近頻発するCirebon出張時に毎度お世話になっています;; 1等Eksektif,2等Bisnis併結列車ですが、新塗装車が最初に投入された列車でもあり、新色率が高いのですが、前4両ビジネス車が全部旧塗装なのはラッキーでした。 PSE6:15発のFajarUtamaYOGYA
しばらく定期列車が続きます。しかし、無くなってからではあとの祭り。この機会に全部撮っておきましょう。と、いうわけで絶滅危惧列車になりつつある、全車2等BisnisのFajarUtamaSolo。見事な新旧塗装のチャンプル状態。全検明けでピカピカなCC201もいい感じ。 目にも鮮やかな新製EkonomiAC、PSE6:45発のLempuyangan行きGajawong
2010年のレバラン輸送にBogowonto号向けに初めて投入された新製冷房K3も、今年で製造開始5年目(但し今年はまだ投入されていない。昨年10月のJayabaya号向け車両が最後)。既報の通り、そのJayabya号用編成から、KAIの新CIに準じた新塗装になっていますので、涼しげな冷房エコノミの象徴だったこちらのデザイン(運輸省冷房色ともいうべきでしょうか?)も、見納めに。ちなみに、画像の編成は運輸省ロゴ付きの11年製とKAI CI付きの14年製の混成でした。14年製の水色編成は臨時Menoreh用で、SMCの所属だったはずですが、JakaTingkirの定期化のときに、一部転属したのでしょう。 Argoの風格漂う名門列車、GMR7:00発のSemarangTawang行きArgoMuria
今やArgoの冠を持つ列車が乱立し、EksektifとArgoの線引きはもはや不可能な状態(形式上はどちらもK1ですが、かつては乗車口脇のエンブレムが1とAで区別されていた上、元々単なるエグゼクティブ車は青胴だった)になっているわけですが、本来Argoクラスとは、90年代中頃から2000年代初頭にかけて新製された大窓車(もちろん座席はモケット仕様)を言うのだと思います。そうそう、デビュー当時は給食サービス付きでしたね;;そんな中、Argoの品格を守り続けている(レツバンから序列を考えてもやはり上位列車なはず)のが、ArgoMuria/Sindoro, Argo Diwipanga/LawuのArgo四兄弟です。特にSMC所属のMuria/Sindoroはいつ見ても基本的に大窓車で統一されており、車両によっては早20年選手になるわけですが、非常に手入れが行き届いていてピカピカです(この編成は02年製で統一されていました)。同じく大窓を使っているParahyanganとは大違い・・・。しかし、そんなArgoMuriaにも新塗装化の波がジワジワと押し寄せています。Argoくらいは、この専用色を維持してもらいたかった。 外からではわかりませんが、これまたレベルの高ArgoMuriaの食堂車
そして、インドネシアの客車体系を作るのに、最も苦労するのが食堂車、発電車(M,P)の類でしょう。ホント、一点ものなんじゃないかと思うくらい、年度によって形が違いますよね・・・。
さて、Senenからは新製EkonomiACが続きます。 PSE7:15発のSemarangTawang行きMenoreh
昨年のレバランで投入された新製冷房K3を連ねていますが、本来のPとMはレバラン臨に使われているのか、いずれもK2からの改造車が組み込まれていました。妻面に元番が書かれているのがありがたいですね。先頭の発電車はP0 15 03(元KM2 0 82 01)。 食堂車M1 0 15 02(元KM2 0 65 02)
なお、このように改造時に製造年が偽装されていますが、改造後等級が変更された場合、改造年が新たな形式になるようです。ですから、小窓のK1 54 XXXなどいう車両は生まれながら1等車なわけです。このまま行くと、INKAから15年製の客車は出ないかもしれませんが、Bisnisの削減に伴うK2の余剰で改造が盛んに行われていることから、15年製を名乗る車両はそれなりに存在することになります。
お次にやってきたこの列車は?? またも大窓で統一された編成美ですが、臨時ArgoJatiでした(7:00発)
おや?臨時ArgoJatiと言えば、普段はJAKK所属のボロの寄せ集め、Gajayana編成を使っているのですが、今日はなんとSMC所属の大窓で統一されているではありませんか。これなら、CirebonExpressより高い金を払っても乗る価値があるというものです。レバラン中の運用変更で、やはりJAKKのボロを使う車Semberaniが、SMC編成に変更されており、それが臨時ArgoJatiでもバイトしているようです。深追いすると頭が痛くなりそうなのでしませんよ。以前は毎土休日設定されていましたが、6月1日改正以来しばらく設定がなく、久々の撮影となりました。 レバラン臨から格上げされたPSE7:45発TegalExpress
お次は、特にネタではありませんが、Tegal Express。2013年のレバラン臨で、時刻表に乗らない幻の列車として登場し、翌年4月1日改正から定期列車に昇格。まあ変わらず、専用編成は持たず、YK車であることから、Progoあたりのバイト運用でしょう。相変わらずサボも用意されず、サボ隠しの状態で通過して行きました・・・。釜が逆エンドなのも、なんとなくこの列車の出自を物語っています。同じくPasarSenenとTegalを結び、表裏一体のTegal Arumと列車名を統一すればいいものを・・・。 BALI併結のGMR8:00発のSoloBalapan行きArgoDiwipanga
前述のArgo4兄弟ですが、え?改造小窓(K1 0 84 XXX)ばっかり・・・。いつもこんな編成だったっけ??(いかにいつも客車を見ていないかですね;;)まあ、こんど普段の時期に観察してみましょう。だいたい、AlingAlingにK2の窓を封鎖しただけの荷物車を連結しているあたり、品がないですよ・・・。その代り、直後に特別車BALIが連結されており、アンバランスぶりがなんとも言えないのですが。レバラン期間中は特別車もフル稼働のようですね。
そんな中、ひときわ異彩を放っていたのがこちら。改造小窓の中に1両だけ紛れいていた55年製の中窓の車両。 K1 0 55 03
55年製の車両も、まだそこそこ見かけるわけですが、今やほとんどが小窓化改造され、最新型のK1の遜色ない見栄えになっていますので、55年製というのは形式上にとどまっていますが、オリジナルに近い?姿を保つ車両を発見。いや、これも80年代に改造されている可能性がありますので、一概には言えないのですが・・・。そもそも、登場時から冷房が搭載されていたのか??それでも、隣の車両と比較すればわかる通り、この妙に高い天井は55年製に共通の特徴で、もしかしたら、デビュー時は寝台車だったのかもしれません?? 未だ旧塗装率の高いPSE8:15発Kutoarjo行きSawunggalih
こちらもただの定期列車ながら、絶滅危惧なオールBisnis列車、Sawunggalih。6月改正で新製EkonomiAC化されるかとも思いましたが、生き残りました。KTA所属の車両の数などたかがしれていると見えますが、妙に青胴率が多く、ありがたいですね。
この後、定期ArgoParahyanganが通過しましたが、面白くないのでパス。 GMR8:50発のYogyakarta行きTaksaka
こちらもただの定期列車ですので、別に・・・ですが。Argoではないので、客車はバラエティに富んでいたりします。 中窓食堂車 M1 0 82 01
14系を彷彿させる細長窓のK1 0 67 17
65年製ながら、大窓ArgoなK1 0 65 09。改造車なのでしょう。
特別車Torajaも併結
PSE9:00発に変更になったSerayu
相変わらず旧塗装率の高いSerayuです。Purwakarta詣がなくなって、最近すっかり利用しなくなってしまいましたね・・・。一時より編成が長くなったのは喜ばしいことです。
続いて、定期ArgoJati。基本的に2010年製の小窓Argoで固定されているので、これも面白くはありませんが、旧塗装率が高いです(新造客車は初めの5年間は全検をしなくてよい)。まあとはいっても、今年で5年目ですので、そろそろ動きが出てくるのではと思います。しかし、たかがCirebonまでの距離でなぜArgoなのでしょう。CirebonExpressに統合してくれないのかな。 GMR9:10発 ArgoJati
お次はこれ、MalangからのMatarmaja。後追いなのですが、思わず撮ってしまいました。というのも、今や貴重な葉っぱEkonomiで統一。 2007年頃から再生産された両開き扉車に採用された新デザイン
これまでの青オレンジとは一線を画すデザインで、EkoとEkonomiをかけた洒落たデザイン。しかしながら、全検時には基本的に従来の青オレンジに改められてしまい(というか、この波のデザイ再現するのに、どれだけ手間がかかるんだ・・・という話)、今やこの姿をほとんど見ることはなくなってしまいました。
この車両、車内にステップを設け、乗車口を低くして、乗降をいくぶんラクにしており、現在の新製冷房車にも、デザイン共々そっくりそのまま引き継いでいる(逆になぜ07年の時点で冷房を載せなかったのか?その方が不思議・・・)わけですが、この造りの車両、実は古い写真を見ると、結構上がっているんですよね・・・。だから、再生産と書いたのですが。真相は不明。 オール葉っぱEkonomi
この後の、臨時Matarmajaですぐに折り返すことを期待しましたが、結局戻ってきませんでした。
で、今回、個人的に一番美味しかったのがこちら。一瞬、なんだ普通の新製冷房K3かと思ったのですが・・・。 PSE9:20発、Kutoarjo行き 臨時Kutojaya
しかし接近してきたのを見てみると、新製冷房車ながら、水色と新塗装が混ざっており、さらに食堂車はArgo色。いかにも臨時列車を仕立てたという感じでマニア心をくすぐる編成! P 0 78 02 JAKK
K3 0 14 21 JAKK(Jayabaya予備車)
K3 0 14 19 SLO(JakaTingkir予備車??)
K3 0 12 49 MN(Krakatau予備車)
K3 0 10 09 YK(Bogowonto予備車)
KM1 0 84 02 JAKK Argo色の合造食堂車ってあるんだ・・・
K3 0 12 22 ML(Majapahit予備車)この他2両のML車を連結
K3 0 12 17 SMC(Menoreh予備車)
形状は同じ、新製冷房K3ながら、同車が所属する全客車区から寄せ集めで作ったともいえるこの編成。車両繰りを考えているKAI担当者の苦労が伺えます。これぞ、臨時列車!という感じですね;;
お次も今が旬なArgoBromoAngrek。なんだ、いつものK9(K1 2001 9XX)車かと思うなかれ。 GMR9:30発、栄光の?2列車、SBI行きArgoBromoAngrek
ついにGo Green消滅・・・と言ってしまえばそれまでなのですが、この新塗装車は一味違う;;窓交換&ロールカーテン化と、GoGreenの体質改善車と同様のメニューが施工されていますが・・・
何か違うことにお気づきですか? なんとフルカラーLED表示器を追設!!
しかもE233のLEDのように二段表示可能;;スクロールで停車駅や到着時刻などの情報を提供・・・。そもそもデビュー時に両端の側面窓上部にLED表示器を設けていましたが、使用されなくなって久しく、今回全く別規格の表示器が設置された形。従来のものも、そのまま残置されたまま。
というのも、この編成、長らくINKAにて旧塗装のまま朽ち果てていた編成で、今年のレバラン輸送に合わせリノベーションが実施され、新車のように蘇ったものなのです。K9車は当初、4編成分+若干の予備車分が製造され、基本的にArgoBromoAngrekに充当されてきましたが、折からのボルスタレス台車不具合から、さらには追突事故も重なり、離脱車が続出。それでも近年、ArgoBromoAngkekはK9 2編成、一般Argo車1編成の3運用体制で回されていましたが、この度、2編成の改修がようやく終わり、INKAから出場。これで本来の4本体制に復帰。つまり、その影響で余剰になったK9非体質改善編成の1本が冒頭のArgoSindoroに転用(レバラン終了後はどうなる?)したわけなのです。 レバランメッセージ付きの広告車となった食堂車
さらに上の画像の通り、CommuterLine以外では初?となる企業広告ラッピングが登場しています。レバランに合わせた広告となっており(協賛しているのは塗料メーカー)、同様のデザインの食堂車は他にも数両登場しているようです。
さて、ここまで撮れば、一通りネタを回収したことになるのですが、どうせならこの後通過する臨時Matarmajaまで待つことにしましょう。 ノーコメントなCirebonExpress GMR発10:00
そういえば、CC206の赤スカート化、あまり進みませんでしたね・・・。今年の増備分も黒スカートで納入されているようですし。 PSE10:00発 Surabaya Gubeng行きGayabaru
定期列車ですが、オール旧塗装!!こうやって盛り上がれるのも過渡期ならではですな。 これもノーコメントなPurwakarta行きEkonomiLokal
別に・・・です。はい。
そして、本日Kranji俯瞰の〆は午前中最後の臨時列車となるPSE10:50発Malang行き臨時Matarmaja。 逆エンドなだけで、特にネタはありませんでした・・・
客車はJAKKのEkonomiLokal用のが入っていたりと、当たってしまった人はご愁傷様な編成でした・・・。
そろそろ面に日が当たらなくなる頃合いですし、次の撮影地に移動することとします。もちろん、合間にやってくる電車も撮るには撮ったのですが、205,205,205のオンパレード。元々運用数もさほどないBekasi線ですので、菱型パンタのH19にしてもいい加減撮り飽きました(爆)
つづく
(※レバラン明けで仕事が溜まっていたり、8月入れば日本のお盆対応と忙殺されており、②の更新時期は未定です。スミマセン。)
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