« ナハ3,36社内試運転(12月5日) | トップページ | 週刊マンガライレポートVol.154 »

H27編成、踏切事故当該(12月6日)

Dsc_0337_r                     H27、再び踏切事故当該・・・

6日朝、8時48分頃、KampungBandan~Angke間の踏切(Angke駅東側)で、直前横断したミニバス(MetoroMini)にJatinegara発Bogor行き、KA1582列車が衝突しました。当該は205系H27編成クハ204-15。相変わらず、205系の接触事故が後を絶ちません・・・。この事故で、MetoroMiniの乗客、18名が死亡した他、他数名の乗客が重傷で、病院に運ばれたようです。また当該系統のMetoroMiniには運行停止処分がジャカルタ特別州から下されているとのことです。直前横断するバスもバスですが、70㎞/hも出さない区間で、衝突後約160m以上も止まらずにバスを引きずる列車もどうなのよと、また不可解な事故の発生です。

通常、マンガライレポートの更新回ですが、予定を変更してお送りします。

Dsc_0289_r                  Angke駅東側の事故現場踏切にて

Manggaraiで、BukitDuriから出庫してきたDjokoTingkirの発車(Jatinegara経由で運転)を確認後、こちらはTanahAbang経由でDuriへ。Duriからバジャイに乗換え、Angkeに到着すると、DjokoKingkirもちょうど到着し、連結作業が始まるところでした。が、現場踏切はものすごい野次馬の数・・・。しかも、事故当該側でもなんでもない最後尾車両にDjokoTingkirが連結するだけというのに、とんでもない騒ぎになっていました。そんな状態ですから、現場には軍隊,警察,PKDが総動員され、物々しい雰囲気でしたが、なんとか知り合いの社員さんを見つけ、現場に接近することに成功。DjokoTingkirとの連結シーンに大騒ぎしてもしょうがないからね;;

現場にはFadilah社長はじめ、旅客営業部長、元某電車区のS氏等々と、総動員で現場の収拾に当たられていました。休日返上での業務、お疲れ様です・・・。

Dsc_0386_r                Angke駅ホーム直前で停止した列車

前述の通り、事故発生場所の踏切から、ちょうど8両分ほど進んだところで列車は停車しており、ミニバスは線路脇の標識類をなぎ倒し、ホームにぶつかる形でようやく止まったと見えます。事故の凄まじさが予想できます。
Dsc_0302_r                車両側はスカートの大損傷はもちろん、
           窓が大きく割れており、再起には時間を要しそうな感じ

車両は事故当時のままの位置で停車していましたが、しばらくして、DjokoTingkirにより、やや引き出され、バス車両と引き離されました。なお、このときすでにバスはカッターで切断されており、バス乗客は搬送されています。あえて、事故後2時間以上経過してから、行っていますので。
Dsc_0339_r                長距離列車が事故現場をゆっくり通過

復旧までの間、環状線は西側区間はDuriでBogor方面への折り返し運転、東側区間はJatinegara~KampungBandan~JakartaKota間での折り返し運転となりました。しかしながら、PasarSenen発着の一部長距離列車は整備のため、Manggaraiまで回送しているため、完全運転見合わせとはならず、長距離列車のみは現場区間を通過しました。

その後、現場作業者はレスキュー隊員から、BukitDuriの検車スタッフに代わり、H27編成のBukitDuriへの回送へ向けた処理が開始されました。破損したスカートは取り外し、とりあえず、車内に取り込まれました。
Dsc_0351_r                        床下の状況①
Dsc_0361_r                        床下の状況②
Dsc_0374_r                         床下の状況③

進行方向右側は、バスエンジン部が接触したため、台車に油が飛散しています。またエア管は完全に損傷しており、改修は必至です。再起不能ではないにしろ、だいぶ時間がかかりそうですね・・・。05-102Fも未だ修繕終わっていないというのに、まったく事故多すぎです。
Dsc_0395_r               当然、H27ですから、これを履いているわけで、
              やはり事故の一因なのではと勘ぐってしまいます

踏面が異様に荒れており、さらに1,2号車車輪にはフラットが発生していました。非常ブレーキ引いたら、さすがの鋳鉄でもフラットが発生するのね。
Dsc_0415_r                     BukitDuriに向けて発車
Dsc_0449_r           KampungBandanまで逆走し、BukitDuriに回送されるH27

どうしてこうも、小窓編成ばかりが事故に巻き込まれるのか・・・。一日も早く美しい姿に戻り、営業に戻ることを願いたいものです。また事故に巻き込まれ、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りすると共に、抜本的な踏切事故対策が、前向きに進むことを切望します。

|

« ナハ3,36社内試運転(12月5日) | トップページ | 週刊マンガライレポートVol.154 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

また…… 今回の事故で18名の方が命を落とすいう大事故になってしまって… 列車の直前を横断しようとしたバスの運転手も悪いが当該列車の運転手のスキル効かない中国製のブレーキシューの採用.踏切の安全対策などKjc側にも問題点を感じます

投稿: shrozou | 2015年12月 7日 (月) 05時05分

高度成長期に踏切事故が多発した日本と同じような状況になっているのでしょうか。インドネシアの道交法がどうなっているかは知らないのですが、やはりドライバーのモラルの問題もあるのでしょうか…犠牲者の方にはお悔み申し上げたいと思います。
さて、鉄道側を見て、今回どの位手前で非常をかけたかわかりませんが、やはり鋳鉄では高速域の制動力に難があるのでしょうね。それに加えて中国製というのがどこまで影響しているのかということでしょうが。
非常をかけると回生は切れてエアのみになると思うので、むしろ性能の悪いシューを使うなら、非常制動より常用最大制動のほうが早く止まるのでは? などという気がするのですがどうなのでしょうね。もし本当に「非常のほうが制動距離が長い」のではジョークにもなりません。

投稿: ハイタイ息子 | 2015年12月 7日 (月) 19時29分

こんばんは。

日本でも昭和30年代から40年代頃に掛けて、ドライバーの運転モラルが問われる事態(こちらは主にダンプトラックですが・・・)が起こりましたが、よりにもよって乗客を乗せた路線バスでこのような事故を起こすとは、言葉になりません。
しかし、この中国製ブレーキシューもまた事故を悪化させる原因の一つではなかろうかと勘繰りたくなりますが、その辺の影響については調査されないんでしょうか・・・。

投稿: 野津田車庫 | 2015年12月 8日 (火) 23時38分

<Shrozou様

仰る通りです。とはいってもKCJは絶対に自分の非を認めないでしょうね。結局Juanda事故の件もうやむやになってしまったくらいですから。少なくとも、鋳鉄の件には敏感になっており、当方が危険性を指摘し、拡散しているのをよく思っていないようですからね。

<ハイタイ息子様

鋳鉄は中国製ではなく、インドネシア製のはずですよ。中国製よりもさらに劣悪、そして安い!!KCJが食いつかないわけがありませんよね。100㎞/h出す高速鉄道に鋳鉄なんて考え自体が間違っているわけですが・・・。しかしながら、環状線内の最高速度は60㎞/hですので、余計に今回の事故は不可解なのです。

<野津田車庫様

KCJも鋳鉄の危険性には薄々感づいていますよ。しかし、それを公に出すわけにはいかない上、大量発注してしまった責任もありますので、使用停止に追い込むわけにも行かず、使い果たすしかない状況と言えます。無思考に安さだけにとらわれ、発注してしまった担当者が然るべき処罰を受けるのが正当なのでしょうが、生ぬるいKCJがそんなこと出来ませんよね。

投稿: パクアン急行 | 2015年12月10日 (木) 00時54分

バクアン急行様 コメントありがとうございます インドネシアにはかって日本にあった600メーター条項の様な鉄道車両のブレーキに関するガイドラインみたい物がないのでしょうか? 事故の検証して安全対策を行う…車両譲渡だけでなく安全対策と乗務員のスキルアップ…東日本もこの点ももっと指摘しないと危うい気がします

投稿: shrozou | 2015年12月12日 (土) 08時25分

小さい指摘ですが、Tc205-15はH28なのですが当該はH28なのでしょうか?H27はTc205-30です。

投稿: いのっち | 2015年12月13日 (日) 13時05分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: H27編成、踏切事故当該(12月6日):

« ナハ3,36社内試運転(12月5日) | トップページ | 週刊マンガライレポートVol.154 »