(不定期更新)月刊デポック通信1月分
全検中の8003F。やはり検査棟立ち入り禁止は本社職員の曲解だった??
去る1月30日、Depok電車区にて、沿線利用者コミュニティーを対象にしたDepok電車区一般公開が開催されました。近年、秘密主義傾向のKCJが、このようなイベントを開くのは珍しく、覚えている限りでは2009年にKRLmania.com向けに公開された以来ではないかと思います。これもJREによるKCJのサービス向上施策の一環なのかはわかりませんが、このようなイベントを開催し、内部情報の開示を行うというのは大きな進歩ではないか(ジャカルタ市内で開催されるイベントでも、企業ブースを出展しているのを最近よく見かけます)と思います。
しかしながら、当方あいにくこの日は別件が入っており、出撃できず、いつもお世話になっております、Adam様、台鐡武士様に全てを託しました(笑) 今回、通常立ち入り禁止と言われている、工場建屋内(全検棟)も、当日サプライズで公開され、マニアを喜ばせただけでなく、Depokのジャ●ア○こと、KCJの裏ボスからのお漏らし情あり、そして、JREから乗務研修でいらしている乗務員の方々の飛び入り参加もあり、と充実したイベントだったようです。
そんな今回のイベントを、Adam様、台鐡武士さまの画像をお借りし、当日の一部始終をお伝えし、Depok通信、1月分とさせていただきます。 1060と1090が縦列に停車しています;;
といっても、まずは、イベントの前に1月中ごろのDepokの様子を。実はこの状態が2週間以上続いており、1月は橋の下に降りる必要はないだろうと高をくくっていたのですが、その後の組み換え案件という大きな動きが出るとは思いもしていませんでした。とにかくDepokでは8003Fと全検と同時に長らく1090Fの改修作業を続けており、なかなか進捗状況が見えてこない状態でしたが、最終的に、1060Fが建屋内に取り込まれ、部品供与を受ける形で、その後なんとか1090Fは改修出来たようです。 8003Fの大半は入場待ちでした
ナハ12(奥)は研修中のため、通電状態で留置中
また第五陣編成の3本は、すでに運輸省試験を終了も、研修のため運用入りはしていませんでした。 手前が6271F。4本目がハエ26。ハエ30は色々なところに点在しています
8039Fのアタマ(8039)だけは何故か改造線奥に突っ込まれています
南武のMM’が引き出されてきました
ガラクタ置き場は、12月末にManggaraiから配給された6271Fとハエ26が新たに加わったほか、南武の再12連化の入換えで、配置順序が整理されています。廃車になる車両、復旧される車両、今後、どのように選別されるでしょうか。ハエ26は予備品到着次第、すぐに復旧されると思いますが。
特別列車に乗り込み、出発
で、本題の公開イベント。イベント参加者は事前に配布された入場許可証兼ネームカードをひっさげ、Depok止めの電車区入場列車を活用した特別列車に乗り込み、会場入りし、いよいよイベントスタートです。一行は、洗浄線をプラットホーム代わりに電車区に降り立ち、ピット線、全検棟、そしてヤードの順に電車区をぐるっと回り、最後は旧食堂跡を活用したステージイベントで、歌ったり踊ったり(さすがはインドネシアですな)、そして、最後は、本社社員のトークショーでお漏らし情に聞き入った模様です。 電車区到着!!
では皆様お待ちかねのDepok電車区のピット側を。 係員に誘導され、ゾロゾロと連なってゆく参加者たち
ピットの方で、8003Fの半分が先にお色直し中。。隣は05-108Fのうち半分
皆様ご注目のナハ39もピット内で最終調整中
そして、いよいよ全検棟ですね!! 編成が半分に分割され、1両だけ倉に突っ込む05-108F
隣には部品取り中間車が
1090Fはやはり改修が終了したようで、代わりにここ1週間ほど運用落ちしていた05-108Fが建屋に取り込まれており、さらに長らく放置されていた05系中間予備車も据えつけられており、なんらかの部品供与を受け、修繕される模様です(全検ではありません)。
そして冒頭の画像の通り、建屋内ではスローペースながら、順調に検査の進む8003Fの姿が。徐々に赤帯に変更されつつあります。昨年末から、8007F,8003F,8039Fと相次いで運用落ちした8000系、その後も細々とした動きが見られましたが、果たして8003Fが構内入れ替えを行っており、今後の去就が注目されましたが、結果としては8039Fの代替として延命決定。これにて、少数派形式、1000,5000,8000は3本中1本を廃車して他編成を延命という共通判断が下されたことになります。 部品取り車から外したと思われる予備品がずらっと
そして、言わずもがな改造線へ(最近改造線として全然使われていませんが・・・)
車輪削正に1090F!!と思いきや、東葉ガルーダエンブレムがあるので、1080Fですね。1090Fは既に修理が終わり、ヤードの奥に突っ込まれていた模様です。右は、8007F、そして8604F。この位置にいたので、まさか日曜に8007Fが運用入りするとは思ってもいませんでした。 ついに命運尽きた8039F・・・(ただしこの車両は元8007)
そして、8007Fの奥には、、いつも橋の上から見えていた8039Fのアタマ1両、8039号(8007号)の姿が・・・。8003F,8003Fの全検に際し、相当の部品取りが行われていると思われ、もはや再起はないものと思われます。廃車リストにはいっていた8003Fが検査に入った時点で、末期の8039Fはよほど状態が悪かったものと思われます。そう思うと、昨年の4月~7月頃は最後の花道で、、連日充当されており、毎週末のように撮影していました。幸い、本来の8039号は8007号に化け、当面の間活躍するわけですが、栄光の8039のナンバーが消えるのは一抹の寂しさがあります。
ピッドの裏を回り、お次はヤードへ。 おっ!205の予備品、ようやく到着したんですね!!目出度い!!
まさにこちら、到着ホヤホヤのようで、もしや冒頭のトラック荷台のコンテナの中身も全部205の予備品なのか!?
そんなわけで、ヤードの205でも。 まもなく離脱して半年になるハエ26・・・
予備品が到着したとなれば、動きがないはずのないハエ26(※すでに検査棟入りを確認!!)です。今のKCJ情勢からすると、1本でも多くの10連が欲しいはずであり、一刻も早い運用復帰が望まれます!!そしてハエ30はどうなる!? 旬なネタといえば、こちら。4連になったH4。
こちらも、車輪径の限度値割れとは言われていますが、予備の車輪も届いていることを考えれば、こちらも近く動きが出てくるのではないかと思われます。あるいはこの編成、国内での走行距離もそこそこありますので、検査入場まで放置か?? 引き続き、乗務研修に使用中のナハ34、ナハ12
(当該編成の運用開始に伴い、現在は別編成を使用中)
そして、最後は、なんと絶対に見せたくないであろう廃車体のコーナーへ。この大盤振る舞い、一体なんなんだ!? 廃車体以外のガラクタまで持ち込まれてきました
各廃車体には、以前はなかったナンバリングが1~60まで為されており、これはPurwakartaなどと同様の処理ですが、今後これら車両は、このままここで朽ち果てるのでしょうか。 8611号でちょうど60両でした
そして、最後はやっぱり記念撮影で〆。ヤードの前で記念撮影。そこに、なんと乗務研修中だったJR社員の皆様も飛び入り参加され、その後、参加者との撮影にも快く応じられたようで、画像がネット上に拡散されてしまっております。ま、これがインドネシアなんで、ご了承くださいってことです;;
その後、参加者一行は、元食堂跡の、イベントスペースへ移動。こちらで、トークショー他、どんちゃん騒ぎを楽しまれたようです。
KaoriNusantara代表、新ムハンマド尊師が突撃取材を慣行
JREからの乗務研修に関するPRコーナーもあったようです
ちなみに、こちらのKCJ運転士、F氏は日本での実務経験のある異色のKCJ社員でおられ、日本語ペラペラです。先日も、撮影していたら、流暢な日本語で声を掛けられびっくりしてしまいました。
さて、最後にトークショーでのお漏らし情報を。
・2014年9月の人事異動以降、車両メンテナンス体制を強化し、特に冷房故障が大幅に減少した。⇒要するに、これと同時に、205系の水切り~搬入~試運転~運用開始の流れも迅速化した。逆にTri旧政権下の管理体制の甘さを公言したようなもの。
・12連は全12本を組成予定。さらに205を中心に組み換え、10連40本程度を組成予定⇒8連は205消滅か。東急車の再10連化も計画されている模様。8039Fを活用??ハエ30はどうなる!?
・2017年を目途に中央線内にATSを整備する。これはJRに協力を求める(この素直さが大事!!)。さらに2018年にBogor線、2019年にBekasi線に導入予定。⇒ATS整備に関しては既にKAIがあえて欧州規格の低スペックATSの導入に向けて動いていましたが、KCJ管内は別プロジェクトとして動く模様。真摯にクレクレすれば、そりゃ助けてあげるというものです。
・2016年ダイヤ改正での大増発は行わない。運用増は数本程度に限られる。また、Nambo線はDepok~Nambo間の機織り運用とし、4連を充当する。⇒既にManggarai~Jakarta間の列車本数が飽和状態である今、やはり今後は本数を現状維持のまま、車両の長編成化に舵を切るようです。おそらく増える数運用はTangerang線などの支線区になるものと思われます。
その他にも、あんな話やこんな話があったようですが、おそよの関心どころといったらこんな感じではないでしょうか。なんだかんだいいつつ、少しずつは進歩していっているようですね。
改めまして、Adam様、台鐵武士様、画像提供ありがとうございました!!
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コメント
日本の車両基地の一般公開のイベントに近い感じですね 4年近く前の尾久車両センターの一般公開日なと当時廃車同様の休車状態だったスロフ14(元ゆとりの先頭車)がイベント用で展示させているのを実際見ました 東日本のレクチャーが入っているのか廃車からね部品取りやblog内にありました大量の205系の部品(日本から?の荷物)ATSの導入など少しずつKCJも変わろとしているのでしょうか
投稿: shrozou | 2016年2月 8日 (月) 13時20分
こんにちは。H4編成ですが、いままでに、サハ2両をハエ32/15に渡し、モハユニットをH28に渡していて、残り4両になっています。この先、使うにしても、使い方は限られそうです。一番、有効的なのは、他のH編成と連結し、12連化する事ですが、どうなるか...
投稿: 保留車 | 2016年2月 8日 (月) 16時53分
<shrozou様
完全一般公開ではないところが、KCJらしいですが、今後もこのようなイベントが開催されることを願います。205の部品は、2013年末の埼京線譲渡時に本来なら、共に来るはずだった部品です。過去のテンダー情報を見ればすぐにわかります。しかし、双方の思惑のずれから、ここまで延び延びになりました。ようやくか、といった感じです。残念ながら全く進歩は見られませんね・・・。ATS導入はさすがにJuandaでやらかしていますから、やらないとまずいということでしょう。
<保留車様
12連12本組成予定とイベント時に公言されていますから、H4が何らかの形で関わってくるものと思われます。またKCJ帯化されてしまった第五陣が、今後どのように活用されるのかも見ものです。
投稿: パクアン急行 | 2016年2月10日 (水) 03時01分
パクアン急行様 コメントありがとうございます kcjに巣く事なかれ主義と官僚体質(面子重視)を感じますね
投稿: shrozou | 2016年2月10日 (水) 10時35分
<shrozou様
おっしゃる通りです。どうも御存じのない方が多いようですが、PT.KAI,KCJとは名ばかりで、実際のところは、国家予算で動いている国鉄ですからね。公共企業体といった方が正しいか。本社にいる社員なんて、全員公務員同然です。インドネシアで最も使えない人種、それこそが公務員です。ですから、いつまでたってもKCJに進歩が見られないのは当然なんですけどね。ですから、私が望んでいるのはJREによるKCJ解体。国鉄時代から残る残党をどんどん首切りにしたら良くなると思いますよ。
投稿: パクアン急行 | 2016年2月10日 (水) 11時28分
パクアン急行様 私が軽軽に語るのは失礼かとは思いますが、東日本が人作りから時間を掛けて行わないと難しいと思います人を作り現場に秩序を作りそれが次の世代に伝承される仕組みが必要に感じます
経営側が政治の外圧に流されたり労組に振り回されて酔態した日本国鉄の教訓も學んでもらって
投稿: shrozou | 2016年2月11日 (木) 16時24分
<shrozou様
仰る通りです。今は、ちゃんと電車を調達し、メンテナンスして動かすことに主眼が置かれるでしょうが、長い目で見たら人の教育は絶対に欠かせません。まさにKCJは悪しき国鉄の状態ですから、JREには頑張ってもらいたいところです。あとは、KCJがそこまで口を出すのを許すかどうか、ですね。
投稿: パクアン急行 | 2016年2月12日 (金) 00時19分
パクアン急行様 国も違い民族も違うので日本方式が全て当てはまるとは思いませんが、技術の伝承も人作りの一環だと思います 何故それが大切なのか、そしてそれがお客さんを安全に運ぶ事に関わる事だと 東日本にはそんな基本原則をインドネシアの鉄道マンに伝えてほしいと思います
投稿: shrozou | 2016年2月13日 (土) 13時22分